急増する「屋根貸し」ビジネス。契約時のチェックポイントは?

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「アパートの屋根で太陽光発電」
「●県、太陽光発電事業の『屋根貸し』と『屋根借り』をマッチング」
「所有物件の屋上を貸して下さい!」
「太陽光設置で手数料をもらおう!」

最近、このような見出しのニュースや広告が溢れるようになりました。

彼らは一体何をしているのでしょう?
今回は、この「屋根貸し」と世間で言われているビジネスについて綴ってみました。

☞ そもそも「屋根貸し」とは?
2012年7月から、国の政策により、新しく再生可能エネルギーの買取制度が始まりました。これに伴い、事業者が、建物の所有者からその建物の屋根を借りてソーラーパネルなどの発電設備を設置して太陽光発電を行い、発電した電力を電力会社に売却することで収益を得るというというビジネスモデルができあがりました(売電事業と言われます)。
これは、他方で、屋根の所有者にとっても、屋根を貸す対価として定期的に賃料が入り、また、費用負担なく太陽光発電が設置され、非常用電源としても活用が可能になるなど、双方にとってメリットがあるため、新たなビジネスモデルとして注目されています。
更に、「屋根貸し」を希望する民間施設と、「屋根借り」を希望する発電事業者をそれぞれ公募してマッチングさせる事業まで登場し、例えば、東京都もこのマッチング事業を行っています。
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/renewable_energy/roof_rental.html
このような屋根の貸し借りが「屋根貸し」と言われています。

☞ そのプロセスは?
次に、「屋根貸し」を行う際のプロセスを見てみましょう。ここでは、屋根を借りて太陽光発電を行う事業者の立場から説明します。
① まずソーラーパネルなどの発電設備を設置するのにふさわしい屋根を持っている建物(または土地)を探します。
② 適当と思われる屋根を見つけたあとは、屋根の所有者と交渉し、その屋根が発電設備の設置に適しているかを調査します。
③ 適当な屋根だと判断した場合には、屋根の所有者と屋根の賃貸借契約を締結します。
④ 賃貸借契約締結後、屋根にソーラーパネル等の発電設備を設置して、国から設備認定(法令で定める要件に適合しているか国において確認するもの)を受けます。
⑤ 設備認定が完了したら、実際に太陽光を集めて発電し、発電した電力を国が定めた金額で電力会社に買い取ってもらいます。つまり、電力の卸売りとなります。
⑥ この電力の売却を、法令で定められた20年間(注:10キロワット以上の場合)続け、20年が経過した後は、この発電設備を屋根の所有者に無償で譲り渡すことが一般的です。
詳細は、資源エネルギー庁の「なっとく!再生可能エネルギー」というページを見てみて下さい。
http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/index.html

☞ 屋根の賃貸借契約時のチェックポイントは?
これらのプロセスの中で注意を要するポイントの一つとして、今回は、③の屋根の賃貸借契約について考えてみようと思います。

一言でいうと、発電事業者と屋根の所有者の間で屋根の賃貸借契約を締結する場合には、通常の賃貸借契約とは異なる点に注意をする必要があります。
例えば、まずは賃料。賃料の決める際には、賃料の額を固定にするのか、収益変動にするのか、また、ミニマムギャランティー(最低保証)を定めるのか、などといった点を検討する必要があります。
賃料に関しては、額以外にも、賃料の支払開始時期についても、発電事業者が電力を売却して得たお金でもって賃料の支払ができないか、などといった点の検討が必要となります。

もう一つ例を挙げると、途中解約の定めも重要となります。
発電事業者としては、屋根の賃貸借契約を締結した後になって設備の認定が受けられないといった不測の事態が起きた場合に、20年間賃料を支払い続けるのは何とか避けたいところです。
また、同様の事態は、賃貸借契約期間中に、国のエネルギー政策の変更によって売電事業を行うことができなくなってしまった場合や、発電システムの目の前に大きな建物が建設され、ソーラーパネルに影がかかってしまった場合などにも当てはまります。
したがって、契約期間中であっても、このような事態が発生した場合には違約金などなくして賃貸借契約が解約できる旨の規定を定めたいところです。
他方、屋根の所有者としては、発電事業者の都合で売電事業が行われず、全く賃料も違約金も得られずに賃貸借契約が解約されてしまっては困りますので、この点は交渉事項となりうるでしょう。

その他にも、通常の賃貸借とは異なる「屋根貸し」特有の注意点は多くありますので、契約締結前に内容をきちんとチェックすることが重要となります。

他人の屋根を借りて行うクリーンエネルギーの創出。
この新しいビジネス手法が、今後どのように変化もしくは定着していくか、今後の行方に注目したいと思います。

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